第6回

ありがとう、と伝えたい

今年も12月になり、もう終わりに近づいてきましたね。

私にとって今年の出来事で一番大きかったのは、仕事を除いて、やはり初めての出産・育児でした。
大雨洪水警報の出ている中、両親に車を走らせてもらい、病院へ向かいその後約31時間にわたって陣痛に耐えました。
痛いというよりも呼吸もうまくできず、辛すぎて幻聴や幻想が見え始め、最後は宇宙の中に浮いて自分が生きているか生きていないか認識できない状態でした。
分娩台の上で「もうすぐ赤ちゃんに会えますからね、目を開けてください」という助産婦さんの声に、初めて自分が目をつぶっていたこと、酸素マスクをつけられ息が絶え絶えになっていることに気づきました。

その数分後、私の胸の上に生まれたばかりの娘が置かれました。
気力も殆ど残っていませんでしたが、本能的に抱きしめ体温を感じ産声を聞いて涙があふれました。
あとで振り返ると、この出産はこれから始まる育児の大変さを表すオリエンテーションのようなものでした。出産してからは、毎日娘を眺めては「かわいい、かわいい」と何度も口に出してしまうのですが、それと同時に蔓延的な疲労と睡眠不足がはじまりました。

皆さんは、ネントレって言葉を聞いたことがありますか?
ネントレとは、ねんねトレーニングを略したものなのですが、実はこのネントレに関する本が何冊も出版されています。

「最初だけよ。そのうち眠るようになるから」という周りの声とは裏腹に、私の娘は長く眠ることがうまくできません。
通常一晩に4~5回起き、多いときは0時から6時までの間に8回起きて泣きぐずります。
夜中に泣かせると、近所迷惑だし、隣で寝ている旦那を起こしたら悪いし等考えるとどんどん気が滅入ってきます。
なんとか泣き止ませてもあとは遊び始めるので、夜中の3時にぬいぐるみ劇や童謡のオンパレード、「ママのソロコンサート」を開催してねかしつけたりしていました。

そんな日々が、生まれてからずっと続いています。
これでは私にとっても娘にとっても良くないと感じ現在も赤ちゃんがぐっすり眠るための方法を模索しています。
ボディソープを変えたらいいと聞くと早速買い替え、赤ちゃんをお風呂に入れるとき浮き輪で泳がすといいと聞けば試し、他にも昼寝させないようにする、眠る前にミルクをたっぷり与える、毎朝6時に散歩する、眠る前に沢山泣かせてから寝かせる等、藁でも何でもつかむ勢いです。

最近は、多くのネントレ本を読み始めました。ネントレにも「泣かせるネントレ」と「泣かせないネントレ」があるようです。
「泣かせるネントレ」は、夜中布団の上に置いて、泣いても抱っこしない、授乳しない、するのは声掛けや背中をトントンする程度で、一人で眠るまで1時間でも2時間でも耐えさせながら、一人で眠るトレーニングをするそうです。

他人の赤ちゃんの声は元気で可愛いな、と思えるものの、自分の娘に対しては、胸が引きちぎれそうな気持ちになります。
泣いているのをずっと我慢して聞いているのは赤ちゃんにとってだけでなく、母親の方にも辛いトレーニングになりそうです。
「泣かせない」ネントレは、眠る儀式(音楽を流す、絵本を読む等)を設けて、生活リズムを整えてスケジューリングしていくことを主体としているので、一見易しそうですが、長期的なトレーニングになりそうです。どちらを選ぶか、悩みどころではあります。
しかし、これらの本を読んで悩んでいるのは自分だけじゃない、ということが分かっただけでも、だいぶ気持ちが楽になりました。
今後、娘にあったネントレをみつけて、いつか連続せめて6時間でも寝てくれる日を夢見ています。
「寝る子は育つ」という言葉がありますが、あまり眠らない我が娘は親の心配を裏にすくすくと育っています。

4月に出産し現在8か月ですが、昨日初めてつかまり立ちをしました。
はじめておもちゃをつかんだ日、はじめて笑った日、はじめて寝返りをうった日、はじめてお座りした日、はじめてハイハイした日、すべてが初めてです。
この貴重な時間を過ごせていることをとても幸せに感じています。
何よりも自分の親に対する気持ちが大きく変わりました。

今回で建設論壇の執筆も最後になりました。
毎回、周りの皆さんに論壇読んでいるよ、など感想等を頂戴してとても嬉しかったです。
このような機会を頂いて感謝しております。
最後までご精読ありがとうございました。

(2013年12月11日掲載)